詳解 Cosmos クロスチェーンブリッジ Gravity Bridge の動作原理と発展状況

出典：Cosmosブログ

元記事：『重力ブリッジチェーンに関するすべての知識』

翻訳：胡韬、チェーンキャッチャー

重力（Gravity）は宇宙の基本的な力であり、すべての惑星を可組み合わせ宇宙の軌道に整列させます。重力と同様に、Gravity Bridgeは、信頼を必要とせず、相互運用可能な設計を通じて、Ethereumエコシステムの流動性をCosmosエコシステムに集約することを目指しています。

相互運用性と真実性はCosmosとブロックチェーンインターネットの精神であり、これらの非常に核心的な価値提案がGravity Bridgeを通じてエコシステムをCosmos DeFi時代に推進します！

これまでのGravity Bridgeのマイルストーン

Gravity Bridgeは最近、いくつかのエキサイティングなマイルストーンを発表しました：

• クロスチェーン通信（IBC）（Cosmos相互運用性標準）を有効にしてから数週間で、Gravity Bridgeはmapofzones.comの上で前15のCosmosチェーンに入り、異なるCosmosブロックチェーンに対して32のチャネルを持っています
• Cosmos NFTプラットフォームStargazeは、EthereumからCosmosにNFTを送信するためにGravity Bridgeと協力しています
• ATOMステーキング者とOSMOコミュニティプールの初期エアドロップが、コミュニティにGRAV（Gravity Bridgeのネイティブトークン）を配布し始めるのを助けました
• Gravity Grantsは、ガバナンスを通じてCosmosエコシステムに有益なブリッジツールやその他のインフラを構築するチームにGRAVトークンを配布することを提案しています
• Cosmos Hubと他のいくつかのCosmosチェーン（Stargaze、Nym、Comdex、CertiK、Chihuahua）がEthereumエコシステムに接続されています
• 現在、ATOMをEthereum DeFiと共に使用できます

Gravity Bridgeとは何ですか？

Gravity Bridgeブロックチェーンは、EthereumとCosmosエコシステム間の信頼を必要としない中立的なブリッジです。Cosmos SDKを使用して構築されており、マルチシグや許可された参加者のセットではなく、バリデーターセットを使用してトランザクションに署名します。

ここでの中立性は、Gravityコミュニティの全ての焦点が、ネイティブチェーン上のDeFiアプリケーションではなく、できるだけ効率的で安全なブリッジを提供することにあることを意味します。この中立性は、複数のブロックチェーンやソースからのトランザクション量を集約し、効率を高め、コストを削減します。ブリッジに対するすべての制御は完全にGravity Bridgeバリデーターセットによって処理されます。

主な機能：

Gravity Bridgeプロトコルは、設計の複雑さを排除することでより良いセキュリティを提供することに焦点を当てた、極めてシンプルなクロスチェーンブリッジ設計です。

• 高度な分散化：すべての資金はバリデーターによって直接制御されます（現在140名）
• 安全で検閲耐性：高度な罰金により、バリデーターは合意の同意なしにブリッジメッセージに署名または提出できません
• Cosmosのために構築：許可のないフロントエンドを持つ中立的なプラットフォームとして、Cosmosエコシステムのために特別に構築されています
• ガス効率：ロールアップ式のバッチトランザクションにより、個々のユーザーのガスコストを最大96％削減できます
• 迅速かつ信頼性：強力なリレー報酬システムと低減されたガスコストが組み合わさり、分散型の自己資金調達リレーコミュニティによって非常に迅速で信頼性の高い転送が実現されます

Gravity Bridgeの仕組み

IBCと最終性のあるCosmosチェーンを使用するのとは異なり、Gravity BridgeはEthereumやERC-20、PolygonなどのEVMブロックチェーン間で資産を移動します。Gravity Bridgeには2つの定義されたコンポーネントがあります：

1) Ethereum上のSolidityコントラクト

2) Gravity Bridgeブロックチェーン上のCosmos SDKモジュール

Gravity Bridgeの動作は、すべてのクロスチェーンブリッジの動作と似ています：ローカルトークンをブリッジの一方にロックし、もう一方でそのトークンのラップトークンを鋳造します。次に、ユーザーはこのラップトークンを使用し、それをブリッジに戻して別のチェーンのローカル資産と交換します。

Ethereumへの往復ブリッジにおいて、最も重要なコンポーネントはSolidityコントラクトです。これは、ブリッジを介して送信されたローカル資産を保持します。

Gravity.solはAltheaチームによって開発されたSolidityコントラクトで、Ethereum上のGravity Bridgeが資金を保持します。他のブリッジ設計の一般的な傾向と比較して、わずか580行のコードで、Gravity.solはコンパクトで見やすいです。これは、3つの独立したチーム（Informal、Least Authority、Code4rena）によって監査されており、アップグレード不可であるため、監査者は悪意のある行為者によって改ざんされず、信頼された第三者を含まないことを確認しました。

入金：

EthereumからGravity Bridgeに資産を入金することは、許可が不要で検閲されません。各バリデーターは、Ethereum上で発生した各入金イベントを証明します。イベントが2/3以上のバリデーターセットによって証明されると、ラップトークンが鋳造されます。バリデーターはすべての証明を順番に提出する必要があります。

出金：

Gravity Bridgeはバッチ出金トランザクションを行い、複数のSendToEthメッセージを1つのバッチにまとめます。これはEthereum上のロールアップのようなもので、単一の共有コンテキスト内で多くのトランザクションを実行する方が、個別に実行するよりもはるかに効率的です。

このプロセスは、巨大な効率向上を提供し、ガスコストを96％削減します。

例えば、ERC20トランザクションの送信コストが20ドルの場合、Gravity BridgeからEthereumにトークンを移動するのにかかる費用はわずか4ドルで、これはバッチ内のすべての個別トランザクションに分配され、ユーザーが支払う費用は1ドル未満です。

バッチ処理の第二の利点は検閲耐性であり、Gravity Bridgeプロトコル自体が各バッチのトランザクションを定義し、その後バリデーターに有効な署名を生成することを要求します。バリデーターは特定のトランザクションに署名することを避けたり、リレーがそれをリレーすることを避けたりすることはできません。

罰金とセキュリティ：

Gravity Bridgeブロックチェーンのコンセンサスがブリッジとその保有資産を制御し続けることを保証するために、Gravity Bridgeプロトコルは以下のいくつかのルールを定めています：

• プロトコルは、バリデーターが次に署名すべきメッセージを生成します
• 署名が提出されると、それらはコンセンサスの一部として検証され、バリデーターが正しいメッセージに署名しなかった場合は拒否されます
• バリデーターが罰金期間内に正しい署名を生成しなかった場合、彼らは罰金を科せられ、Gravity Bridgeバリデーターセットから追放されます（彼らはブリッジのEthereum側からも削除されます）
• 誰でも非プロトコルメッセージを通じて署名証拠を提出することでバリデーターを削減できます

Gravity Bridgeの証拠に基づく罰金は、バリデーターがブリッジから資金を盗むために共謀することを困難にします。その過程で、彼らは、必要な署名を集める努力をしている間に、いずれかの裏切り者が罰金を科せられるリスクを冒します。

Gravity Bridgeの使用方法

Gravity Bridgeは許可のないフロントエンドを持ち、複数のチームがCosmosに資産を送信するためのユーザーインターフェースや、Cosmos資産をEthereumに送信するためのユーザーインターフェースを構築しています。現在、ブリッジを使用してCosmosとEVMエコシステム間で送信できます：

• Spacestation.zone
• Blockscape

Gravityを使用し始めたい場合は、こちらで使いやすい説明を見つけることができます：

チュートリアル：IBCを介してOsmosisにGravity Bridgeトークン（Gravitons）を送信する

チュートリアルドキュメント：トークンをブリッジし、Gravity Bridgeを使用する

できるだけ多くの資産をサポートする提案が進行中で、Cosmos Gravity Bridgeにはすでにいくつかの素晴らしいプロジェクトが統合されています：

• ATOM
• HUAHUA
• NYM
• PERSISTENCE
• STARS
• COMDEX

Gravity Bridgeの背後にいるチーム

一般的な見解とは異なり、Gravity BridgeはCosmos Hubの提案から資金を得ておらず、AltheaチームがInterchain Foundation、Peggy JV、その他の支援を受けて構築し、主に資金提供されていますが、Cosmosコミュニティの一部として長い歴史を持っています。これは、9％の初期トークンがCosmosのコアエンティティに配分されることに反映されています：

コアエコシステム 合計 9.000%

Interchain Foundation & Cosmos Hubコミュニティプール 154,000,000 7.000%

Peggy JV. 22,000,000 1.000%

Ignite（元Tendermint） 22,000,000 1.000%

GRAVトークンの配分

初期の創世発行は、このブリッジの複数の資金と開発の出所（開発支援とチーム）を示しており、Altheaの貢献、Peggy JV、クラウドファンディング、そしてInterchain Foundation（ICF）からの助成金が価値の順に並べられています。Genesisはまた、強力な開発チームとエコシステムの一貫性をサポートします。初期のAltheaの支持者とチーム配分は、数年にわたりこのブリッジを生き生きとさせるために必要な才能とコードの血、汗、涙を共有した約50の異なるエンティティと個人を代表しています。彼らは将来的にこのブリッジをサポートします。

Gravity Bridgeはオープンソースモジュールとしても存在し、すでに多くの他のCosmosチェーンに利益をもたらしています。

GRAVはGravity財団によって鋳造され、授与され、以前にGRAVトークンの販売やATOMコミュニティプールからの貢献はありませんでした。7％のトークンがクロスチェーン財団に配分され、Gravity Bridge技術の一部の開発を資金提供し、調整するために使用されます。ICFは、Cosmos Hubコミュニティプールに110,000,000のgravトークン（総創世の5％）を寄付します。

クロスチェーンアカウントが起動し、Cosmos Hubコミュニティプールに送信される前に、ICFはGravityチェーン上で動作するCosmos Hubのバリデーターにトークンを委託します。これにより、ATOMと一致するGravityチェーンがCosmos Hubバリデーターを引き続き招待し、クロスチェーンセキュリティを採用するGravity Bridgeへの道を進むことが保証されます。ATOM保有者がGravity Bridge Chainのクロスチェーンセキュリティの採用を望む場合は、Cosmos Hubバリデーターに委託することを検討してください。

バリデーターを除いて、すべての創世トークンは4年間のロックタイムスケジュールを採用しています：1年間ロックし、残りの3年間は段階的にリリースされます。

Gravityの持続可能性とCosmosの成長

dAppやDEXチェーンとは異なり、Gravityはインフラストラクチャです。水路、下水道、道路、橋のように、何年も持続し、「正常な運用」サービスを信頼性高く提供しなければなりません。したがって、配布を考慮する際、利害関係者は時間の経過とともにこの使用と一致させるべきであり、「一度きり」のエアドロップだけではありません。Gravity Bridgeは最初のシードエアドロップから始まり、時間の経過とともにブリッジを構築し、維持するユーザーやチームにGRAVを配布することを提案しています。

このため、初期の50％の創世トークンが創世コミュニティプールに配分され、今後数年間で配布され、成長を促進し、この重要なインフラの維持と健康を支援します。

コミュニティプールの配布が完了すると、ブリッジの利害関係者は分散型の開発者とブリッジメンテナンス者のプール、ATOMおよび他のCosmosエコシステムの保有者、Cosmosコアエンティティ、そしてブリッジのユーザーになります。

次のステップは何ですか？

• 初期シードエアドロップ：完了
• ベータNFTサポート完了
• 初期Gravity助成金提案：2022年3月上旬
• Gravity成長の形成：2022年3月上旬
• Mercuryアップデート2022年3月
• 他のDEXの流動性マイニング報酬（未定）
• 追加のEVMチェーン統合（TBA）

Cosmosエコシステムへの安定した通貨と流動性の流入は、Cosmos DeFiを加速させます。オープンな相互運用性と新しい流動性源が、分散型アプリケーションとDeFiが繁栄するCosmosエコシステムに新しい参加をもたらします。Cosmos DeFi時代が到来しました！