対話 Magic Eden 共同創設者：原生ビットコイン L2 のみを考慮し、多チェーン市場のインセンティブは買い手に向けるべき。

原文タイトル：《Zedd: Magic Edenの長い道のりを解き明かす、市場の勝者への道》

著者： Mabel Jiang ， HODLong

翻訳： Ladyfinger 、 Luccy ， BlockBeats

この記事はポッドキャスト番組「後浪」（HODLong）から翻訳されたもので、リスナーと共にWeb3コミュニティの発展を探求することを目的としています。ゲストにはプロジェクト運営者、投資家、他のエコシステム参加者などが含まれ、特にアジアのWeb3コミュニティに焦点を当てています。今回のエピソードでは、Magic Edenの共同創設者Zeddがインタビューされ、ポッドキャストのホストであるMabel Jiangが進行を担当しました。Mabel JiangはMulticoin Capitalのパートナーであり、現在もSTEPN、Gas Hero、FSL Ecosystem、MOOARの成長責任者を務めています。

暗号通貨の分野に入る前、Zeddの初期のキャリアはBain & Company（ベイン戦略コンサルティング）で企業クライアントにコンサルティングを提供することでした。その後、2017年にZeddはdYdXに入社し、暗号分野への入り口となりました。dYdXでの勤務中に、ZeddはMabel Jiangと出会いました。

2017年以降、Zeddは暗号通貨業界でフルタイムで働いており、その頃の暗号市場エコシステムはまだ小さく、人々は主にいくつかのDeFiプロトコルを構築していました。その後、ZeddはdYdXを離れ、Coinbaseでプロダクトマネージャーとして約1年半働き、2021年9月にMagic Edenを設立しました。

当時、NFTはSolanaで非常に人気があり、Magic Edenは最初の約1年間、Solana市場に特化していました。現在、Magic Edenはビットコイン、Polygonなど他のチェーンにも深く関与しており、特にビットコインエコシステムとの緊密な関係がほぼ「王者」となっています。DappRadarのデータによると、Magic Eden NFT市場の24時間取引額は676万ドルに達し、Blurの1593万ドルの24時間取引額に次いで、取引額で2番目に大きなNFT市場となっています。

Magic Edenの最大の利点は取引コストが非常に低いことで、従来のNFT市場と比較して、ユーザーとクリエイターにより経済的な取引選択肢を提供しています。さらに、プラットフォームはクリエイターにNFTの上場手数料を請求せず、この政策はアーティストやクリエイターが市場に参入する際のハードルをさらに下げています。今回のポッドキャストでは、Magic Edenがマルチチェーン市場を探求するために行った取り組みについて議論され、BlockBeatsが原文を以下のように翻訳しました。

Magic Edenはどのようにマルチチェーン市場を構築しているのか？

SolanaからEVMエコシステムへ

Mabel Jiang : Polygon市場に拡大することを決定した際、他の選択肢を考慮しましたか？

Zedd : 現在ほど選択肢は多くありませんでしたが、その時点でいくつかの選択肢がありました。評価の過程で、ゲーム分野で小さな成果を上げているImmutableを考慮しました。また、PolygonやAvalanche（Avax）も考えました。しかし、その時点ではどのプラットフォームも明確な優位性を示しておらず、選択する必要があるとは思えませんでしたので、各選択肢には一定のリスクと不確実性が伴いました。

熟考の末、Polygonを選んだ主な理由は、多くのチームがそこで新しいプロジェクトを試み始めており、Polygonが多くのゲームプロジェクトと積極的なビジネス拡大の協力を行っていたからです。したがって、これは適切な出発点であり、EVMエコシステムにスムーズに入るのに役立つと考えました。

Mabel Jiang : Solanaでの影響力は大きいですが、EthereumとPolygonはあなたたちにとって全く新しい領域です。PolygonとEthereumでの構築体験はどうでしたか？最初にこのエコシステムに入るにはどうしましたか？

Zedd : 正直なところ、全体のプロセスは非常に挑戦的でした。主な理由はいくつかあります。まず、特定のタイミングで製品をローンチすることを選択したのは非常に賢明ではありませんでした。FTX事件が発生した2ヶ月後にPolygonプラットフォームで製品をローンチしました。Polygonとの統合作業はFTX事件が発生する前から始めていました。

しかし、SolanaエコシステムもFTX事件の影響を受け、外部からは私たちがSolanaを見捨てたと誤解されることがありましたが、それは絶対に真実ではありません。私たちにとって、本当の挑戦は、私たちのビジョン、計画、そしてSolanaに対する長期的なコミットメントと忠誠を効果的に伝えられなかったことです。

もう一つの挑戦は、コミュニティを深く理解し、溶け込むことです。まず、社内にはEVMとEthereumについて深く理解している人材がもっと必要です。次に、このコミュニティで私たちの影響力を築くことは、私たちが想像していたよりも難しいことでした。Solanaコミュニティである程度の成功を収めたことで自信を得ましたが、Ethereumコミュニティで同じ認識を得るためには、さらに多くの努力が必要です。

Ethereumコミュニティでの初期の仕事に自己評価をすると、B評価だと言えます。つまり、改善の余地があるということです。私たちはEthereumエコシステムで広範な成功を収めていません、特に既存のNFT市場の外では。

しかし、EVM分野での取り組みを深めるにつれて、私たちは協力の機会を見つけ始めました。Yuga Labs、Pudgy、AzukiなどのEthereumのベテランクリエイターと協力関係を築き、ロイヤリティなどの問題を処理する手助けをしました。これらの協力は、私たちが市場により良く溶け込むのを助け、真のマルチチェーン市場参加者としての地位を徐々に確立することを可能にしました。最初の挑戦は大きかったですが、私たちは不断の努力と戦略の調整を通じて、最終的にEthereumコミュニティで進展を遂げました。

Mabel Jiang : Yuga Labsとの具体的な協力について共有できますか？彼らのためにNFT市場を構築したと聞いていますが、それはホワイトラベルソリューションに似ていますか？

Zedd : 私たちはYuga Labsのチームと過去6ヶ月間継続的にコミュニケーションを取ってきました。私たちのつながりは、私たちのチーフゲームオフィサーがYuga Labsの前チーフゲームオフィサーSpencerと協力した経験に基づいています。この関係を通じて、私たちはお互いを徐々に理解するようになりました。Solanaプラットフォームでロイヤリティの問題を処理する過程で、Yugaは私たちの努力を目の当たりにしました。

Ethereumの既存市場がロイヤリティをサポートしないことを決定したとき、Yugaは私たちに連絡を取りました。その後、私たちはYugaだけでなく、クリエイターエコシステム全体に利益をもたらすプラットフォームを作成できるかどうかを共に検討しました。これが、ロイヤリティを尊重する市場を構築し、約4、5ヶ月前にローンチすることにつながりました。基本的に、これは私たちがEthereumエコシステムでより多くの足場と突破口を提供するもので、以前は欠けていた部分です。

Ordinalsからビットコインエコシステムへ

Mabel Jiang ：ビットコイン市場を構築することを決定したのはどのような経緯ですか？

Zedd ： 私たちは社内ハッカソンを開催し、10人のエンジニアがカリフォルニアで1週間開発した後、すぐに市場をローンチしました。このプロセス全体には約3週間かかり、マルチチェーンウォレットの開発も進めており、資産を異なるチェーン間で交換できるようにしています。

Mabel Jiang : ビットコインエコシステムでの構築プロセスはどのようなものでしたか？

Zedd : 全体のプロセスは本当にクレイジーでした。2022年にはOrdinalsプロトコルは私たちの視野には全く入っていませんでした。しかし2023年初頭、私たちのチームの一員がOrdinalsプロトコルを紹介してくれましたが、最初は単なる理論的な概念だと思っていました。しかしすぐに、この技術が実際に機能し、人々が本当にその需要を持っていることに気づきました。私たちはOrdinalsのDiscordチャンネルで、人々がすでにそこで取引を行い、さらにはスプレッドシートを使ってOTC取引を行っているのを観察しました。これらの活動は、ユーザーがこの種の資産を取引したいと切望していることを確信させました。

この発見に基づいて、私たちは市場を構築することを決定しました。当時、私たちは信頼不要の非管理型市場環境を作成できるかどうかは不明でした。この重要な瞬間に、私の共同創設者Rexが週末を利用してアーキテクチャの提案を設計しました。彼はこの構想が完全に実現可能であることを私たちに示しました。

Mabel Jiang : それに対して会社全体でどのような調整を行いましたか？

Zedd : これは確かに挑戦でした。私たちは基本的にビジネスユニットモデルで運営し、各チェーン上で運営される市場は独立したビジネスユニットと見なされます。各ユニットには専任のプロダクトマネージャー、エンジニアチーム、ビジネスチームが配置されています。この構造により、エンジニアチームとビジネスチームが密接に協力し、市場の変化に迅速に対応し、意思決定を実施できるようになります。また、チームがユーザーのフィードバックを迅速に収集し、それに基づいて製品の反復を迅速に行えるようにする必要があります。

Mabel Jiang ：Solanaユーザーがビットコインに移行する際、新しいウォレット拡張や他の使用方法を見つける必要があるかもしれません。その場合、彼らはあなたたちのウォレットを優先的に使用しますか？

Zedd ： はい、多くのユーザーがMagic Edenウォレットをダウンロードし、いくつかのSolをビットコインに変換してからOrdinalsを使用し始めます。それに加えて、OKXやUniswapなどの他のビットコインウォレットもあり、これらは主に中国のユーザー向けですが、Xverseは西洋と中国のユーザーの両方にサービスを提供しています。これらはMagic Eden以外の主要なビットコインウォレットです。

Mabel Jiang : ビットコインNFTについて、あなたたちのターゲットユーザー群にはどのような特徴がありますか？

Zedd : 私たちは、ビットコイン製品を使用しているアジアのユーザーがSolanaを使用しているユーザーよりもはるかに多いことを発見しました。さらに、Solanaを使用している多くのユーザーも私たちのビットコイン製品を使用しています。このクロスエコシステムの交差は、人々が想像しているよりも多いです。私たちは新しいことを試みることに前向きなユーザーが多く、成長の心構えを持っています。

Mabel Jiang ：これらのビットコインNFTの未来にはどのようなトレンドがあると思いますか？

Zedd ：私は、より多くのNFT Ordinalsが創作されると思います。これらのプロジェクトは実用性のあるNFTではなく、私はこれが実際には良いことだと思います。私たちはこれをコレクション市場と呼ぶことができます。実用性の機能を付加する必要はありません。これはビットコイン上のNFTと、私たちがSolanaやEthereumで見ているNFTとの主な違いです。

現在、多くの人々がOrdinalsやrunesを鋳造および刻印するためのツールを構築しています。さらに、多くの人々がこれらの取引を簡素化する他の方法を見つけようとしています。なぜなら、ビットコインのL1での取引は明らかに難しいからです。Solanaのミームコインを取引してからOrdinalsに移行するのは、まるでSPAを受けるようなものです。

Mabel Jiang ：RunesとNFTが何であるか、そしてそれらの違いについて簡単に説明できますか？

Zedd : Ordinalsは基本的にNFTと見なすことができ、ETHやSOL上のNFTとは異なり、実際にはメディアやデータを直接チェーン上に刻印します。BRC20とrunesは基本的に異なるFT標準です。実際にはBRC420などもありますが、主なものはBRC20とrunesです。

Runesは非常に新しく、約3〜4週間しか存在しておらず、BRC20は約1年の歴史があります。Runesは、特定の刻印活動なしで移転できる、よりユーザーフレンドリーなBRC20バージョンのようなものです。RunesもOrdinalsプロトコルを開発した同じチームによって開発されています。Ordinalsのコア開発を担当する小さなチームがあり、これがRunesが大量の注目と話題を集める理由の一つです。

Mabel Jiang ：DEXを構築しましたか？

Zedd : 実際にはExodusと提携しています。ユーザーはMagic Edenウォレットを通じてSol、ETH、ビットコインなどをUSDCに変換できます。

Mabel Jiang ：自分たちでL2を構築することを考えていますか？

Zedd : 現在、私たちはこの問題に対処するためのリソースが十分ではありません。もしビットコインのL2について話す必要があるなら、私たちは現在のいわゆるL2ではなく、ネイティブなビットコインのL2を構築することだけを考えます。なぜなら、これらは明らかにネイティブなビットコインのL2ではなく、物語のためにビットコインのL2と呼ばれているだけで、実際にはビットコインのサイドチェーンに近いからです。

Mabel Jiang : 将来的に、他のブロックチェーンへのサポートを拡大する計画はありますか？

Zedd : 私たちは市場の動向を注意深く見守っていますが、現在は積極的に開発していません。ただし、EVMチェーン上の活動はあまり頻繁ではないことに気づいています。また、自分たちのチェーンを構築しているプロジェクトにも注目しています。

コミュニティを深く理解し、溶け込む方法は？

インセンティブを買い手に向ける

Mabel Jiang : Blurは流動性インセンティブにおいて良い成果を上げているようですが、彼らとの競争についてどう思いますか？

Zedd : 私たちはまだEthereumの領域に入っていないため、そのプラットフォームでの動向についてはあまり認識していません。私たちの核心的な関心は、単なる取引量ではなく、ユーザーの実際の使用状況にあります。取引量という指標はインセンティブによって簡単に影響を受けるからです。私たちはユーザーのアクティビティと実際の収入を分析することにもっと焦点を当てています。

Blurは流動性をインセンティブする点で優れたパフォーマンスを示しており、これは巧妙な戦略だと考えています。しかし、私たちは常に、私たちが追求するプラットフォームは流動性インセンティブに依存すべきではないと考えています。私たちはユーザーのアクティビティと収入に焦点を当てることを好みます。これらの指標はプラットフォームの健康状態をより正確に反映するからです。また、取引量に過度に依存することはリスクがあることも認識しています。

Mabel Jiang : Magic Edenで実施している取引報酬のゲーミフィケーション戦略はどのような効果を上げていますか？

Zedd : 私たちは「ダイヤモンド」という報酬を実施しており、非常に良い効果を上げています。私たちの意図は、ユーザーをインセンティブし、報酬を与えるための多様な方法を探求することであり、単なるゼロサムゲームにすることではありません。特にビットコイン市場では、私たちの報酬とインセンティブは主に買い手に向けられており、これは人々がNFTを購入することを促すためのものです。私たちはすべてのインセンティブが売り手に偏ることを望んでおらず、そうすることでフロア価格に悪影響を与える可能性があります。私たちの目標は、より健全で安定した市場環境を作り出すことです。

Mabel Jiang : ゲーム分野において、特に昨年Magic Edenが多くの努力を払ったことに気づきました。これらの努力の成果をどのように評価しますか？この過程で、共有すべき学びやインスピレーションはありましたか？

Zedd : 2022年末以来、私たちは約4人のゲームチームを編成し、主にビジネスを発展させ、推進する役割を担っています。このチームの主な任務は、ゲームプロジェクトと協力し、NFTをローンチする手助けをし、市場の使用に関してサポートを提供することです。過去18ヶ月の経過を振り返ると、非常に興味深い経験でした。2021年と2022年初頭、ゲーム業界は一波の熱狂を経験しました。しかし、過去1年半の間、多くのゲームチームは集中して深く掘り下げており、市場にはあまり新しい活動が見られませんでした。

さらに、もう一つの挑戦は、各ゲームプロジェクトに必要なインフラが非常にカスタマイズされているため、私たちは各ゲームに対して十分に深いカスタマイズサポートを提供できていないことです。これは、各ゲームプロジェクトの独自のニーズを理解し、満たすためにさらに多くの努力が必要であることを意味します。

強力なネイティブコミュニティを構築する

Mabel Jiang : あなたたちはネイティブコミュニティを構築し育成するためにどのような効果的な手段を講じていますか？

Zedd : 強力なネイティブコミュニティを構築するために、いくつかの重要な手段を講じています。まず、社内にコミュニティ文化を代表し理解できるメンバーがいることを確保することが重要です。次に、コミュニティとのコミュニケーションやソーシャルメディアでのインタラクションを非常に重視し、活発さと参加度を維持しています。

第三に、私たちはオフラインイベントを積極的に開催しており、どの会議でも関連するイベントを組織して、コミュニティメンバーとのつながりを強化しています。最後に、過去の失敗から学び、改善を続けることで、私たちとコミュニティの関係が大幅に強化されました。これらの努力を通じて、私たちは現在、コミュニティとのつながりがこれまで以上に密接になっています。

Mabel Jiang : あなたたちのユーザー群はこれらの年の間に変化しましたか？

Zedd : 地理的な変化を除けば、大きな変化はありません。現在、ビットコイン上のユーザーは2年前よりもはるかに多いです。

Mabel Jiang : あなたたちのチームは現在どのくらいの規模ですか？

Zedd : 約100人です。

Mabel Jiang ：あなたたちのビットコインユーザーがアジアから来ていることは、あなたたちにとって何を意味しますか？アジアでコミュニティを拡大したいと考えていますか？

Zedd ： 私たちは多くのSolanaユーザーが私たちのビットコイン製品を使用していることが、ユーザーの交差性を示しています。現在、私たちは特にアジアでコミュニティを構築しているわけではありませんが、これは私たちが達成したい目標です。

Mabel Jiang : 現地の言語チームメンバーがいない中で、あなたたちはどのようにコミュニティを構築していますか？

Zedd : 確かにこれは難しいことを認めます。私たちは現在、アジアのコミュニティを本当に構築していません。私たちは適切な人を見つけ、その目標を達成するためにリソースを投資する必要があります。もし誰かがNFTや私たちの製品に情熱を持ち、アジアでコミュニティを発展させたいと思っているなら、私たちは喜んで彼らと話をしたいと思います。