去中心化ストレージプラットフォームArweaveの特徴と運用メカニズムの簡単な分析

出典：ArweaveNews

元のタイトル：《What is Arweave? (AR)》

翻訳者：Evelyn｜W3.Hitchhiker

Arweaveを説明しようとすると、技術的で複雑な用語を使ってしまい、非技術的な読者が簡単に理解できなくなることがよくあります。これは、すでにエコシステムに組み込まれているときに犯しやすい間違いですが、私たちは、どんな背景の人にとってもArweaveが非常に理解しやすいものであることを望んでいます。これがこの記事の目的です：私たちはこの記事を、Arweaveが何であるか、そしてそれがどのように機能するかに分解し、ユーザーが知っておくべきすべてを記述します。

Arweaveの概要

簡単に言えば、Arweaveは誰でもデータを永久に保存するのを助けるツールです。その動作方式は、保存された情報をノードまたはマイナーと呼ばれるコンピューターネットワークに分散させることです。これは、今日のインターネットが少数の企業によって支配されており、これらの企業のサーバーがいつでもダウンする可能性があるという点で、私たちが知っているモデルとは異なります。編集者もまた、静かにコンテンツを変更することができます。

Arweaveは、広範なノードネットワークを通じて、平行なインターネット「permaweb」を提供します。これらのノードは、長期間にわたって既存のデータを保存し、顧客の要求に応じて新しいデータを保存することで収益を上げています。

多くの分散型ストレージプラットフォームと同様に、Arweaveは独自のネイティブ暗号通貨であるARを使用してサービスを運営します。人々がデータを保存するためにトークンを使うと、マイナーにARが支払われます。これらの取引から、ARは寄付基金（endowment）に保存され、この基金は技術的に無期限に報酬をゆっくりと放出することができます。このメカニズムにより、Arweaveは無限の永久保存を保証します。

Arweaveを際立たせるいくつかの新しい特徴は、従来のウェブブラウザを通じてアクセスできることです。もう一つの特徴は、オープンソースであるため、コミュニティがその改善プロセスに参加できることです。コミュニティは多くの面で重要な役割を果たしており、Arweaveにはコンテンツをレビューするための投票メカニズムがあり、特定のコンテンツを違法としてマークすることができます。さらに、活発な新しいアプリ開発者エコシステムも存在します。

Arweaveはどのように作られたか

2017年、ArweaveはArchainと呼ばれていました。2018年、ArweaveチームがTechstarsに参加した際に、名前が変更されました。2019年、ArweaveはCoinbase、a16z、Multicoin Capitalを含む著名なベンチャーキャピタルから500万ドルを調達しました。

2020年、Arweaveは830万ドルの資金を調達し、それをArweave上に構築されるユーザーと開発者のコミュニティの構築に使用する予定です。これには、Verto、ArDrive、およびArweave Newsなどのプロジェクトが含まれます。

Arweaveの創設者はSam Williamsで、「彼は博士号を持ち、分散型システムの設計と実装に豊富な経験を持っています」。彼は大学時代にArweaveを設立し、オーウェルの『1984年』からインスピレーションを受け、フェイクニュースの流行に対する反応としてそれを作り上げました。

Arweaveはどのように機能するか

通常のブロックチェーン（取引内容に関するブロックを保存する）とは異なり、Arweaveはデータをブロックグラフ（a graph of blocks）に保存します。この方法では、各ブロックが前の2つのブロックと接続され、「blockweave」と呼ばれる構造を形成します。

ここには、Arweaveを際立たせるいくつかの重要な側面があります：

• アクセス証明のコンセンサス（Proof of Access Consensus）
• Bundles
• SmartWeave
• Vartexゲートウェイ（Vartex Gateways）
• コンテンツ調整（Content moderation）

これらの機能はArweaveを際立たせており、私たちはそれぞれの機能を詳しく見て、それらがどのように機能し、なぜ重要であるかを探ります。

アクセス証明のコンセンサス

Arweaveは、他の暗号通貨とは異なる方法で取引の正確性を確認します。通常、プルーフ・オブ・ワーク（proof of work）システムを使用して、暗号通貨はコンピュータに数学的な問題（ハッシュ）を計算させるために競争させます。Arweaveは、この問題を解決するためにSPoRA（ランダムアクセスの簡潔証明 Succinct Proofs of Random Access）と呼ばれる異なるアプローチを使用します。

Arweaveは、ネットワーク内の各ノードに新しい取引ブロックが以前にランダムに選ばれたブロックを含んでいるかどうかを確認させます。それが存在する場合、新しい取引はネットワークに追加されます。

このコンセンサスメカニズムは、新しい取引の正確性を検証し、古い取引が改ざんされていないことを確認するのに役立ちます。この方法はアクセス証明（proof of access）と呼ばれ、新しいブロックを追加するノードはARトークンを報酬として受け取ります。

Bundles

Bundlesは、一連の取引が最終的に1つのブロックにマイニングされることを保証する方法です。これは、他の人が提出した取引がマイナーにとってより多くの報酬をもたらす場合、取引が拒否される可能性があるという、すべてのブロックチェーンが抱える問題を解決します。

Arweaveが大容量のNFTプロジェクトのストレージ手段として機能する場合、何千ものメディアファイルを同時にアップロードする必要がありますが、Bundlesは必須となります。プロジェクトは、アップロードしたバッチの中にいくつかのファイルが削除されていることに気づくかもしれません。これにより、プロジェクトのアップロードが破損します。

Solana FT市場のMetaplexはBundlesの最初の採用者であり、BundlrのJosh Benaronと協力してMetaplex Candy Machineを開発しました。これは、プロジェクトがArweaveをストレージ層として使用してNFTを一括アップロードできるアプリケーションです。実際、これはNFT以外のプロジェクトでもよく使用されます。

SmartWeave

SmartWeaveは、ARトークンを使用したスマートコントラクトプロトコルで、開発者がJavaScriptを使用してスマートコントラクトアプリケーションを構築できるようにします。ほとんどの（従来のweb2アプリ）コードと同様に、これはブロックチェーン自体ではなく、ユーザーのコンピュータで実行されます。

その動作方式は、イーサリアムの契約実行方法とは異なります。イーサリアムでは、ネットワーク全体が呼び出されて取引を検証しますが、SmartWeaveはスマートコントラクトに依存し、ユーザー自身がローカルクライアントで完了します。

それほど多くの計算能力を必要としないため、より環境に優しい選択肢となり、より安全でもあります。悪意のあるコードを使用しても、ブロックチェーン全体に影響を与えることはありません。このため、より多くのセキュリティチェックやセキュリティの束縛が必要なく、より迅速に動作します。

もう一つ注目すべき特徴は、SmartWeaveコントラクトがアプリケーション全体のバックエンドになることができるということです。これは、開発者がサーバーを必要とせず、アプリケーション全体をブロックチェーン上で実行できることを意味します。イーサリアムとは異なり、SmartWeaveコントラクトと相互作用するコストは1セント未満です。

Vartexゲートウェイ

Vartexは、数コマンドで自分のゲートウェイを運営することを可能にするツールです。arweave.netは、ブラウザを通じてArweave上のすべてのデータにアクセスするための主要な手段ですが、これはAWSによって提供されており、潜在的な単一障害点となります。一方、Vartexは誰でも自分のゲートウェイを運営できる方法であり、これによりより多くのゲートウェイが提供され、中央集権的なサーバーに依存しなくなります。

これはpermawebを分散化する方法であり、特定の主要企業に依存しないことを保証します。これはAmplifyに基づいて構築されており、最初のarweave.netゲートウェイのフォークです。開発者はGitHubでソースコードを見つけることができ、クローンしてreadmeの指示に従うだけで済みます。

コンテンツ調整

コンテンツ調整（Content Moderation）は、マイニングソフトウェアを運営する誰もが、保存したいデータの種類を選択できるようにします。この種の調整により、ネットワーク上のコンピュータは、どのコンテンツをホストしたいかを選択できます。

ただし、ゲートウェイが何をブロックするかを決定するため、コンテンツはデータのサイズほど重要ではない場合があります。たとえば、ある人は画像のみを保存したい、または音声ファイルのみを保存したいと考えるかもしれません。新しいファイルがネットワークにアップロードされると、Arweaveは各コンピュータにそれを受け入れるかどうかを尋ねます。しかし、人々はインセンティブによってそれを受け入れるでしょう。特にそれが大きなファイルである場合、単純に言えば、保存すればするほど、得られる報酬が増えるからです。

このインセンティブメカニズムを開始するにはまだ早いことに注意が必要です。なぜなら、誰もが支持したいファイルの完全なリストを持っているわけではないからです。Arweaveはかなり新しく、同時にアップロードされる量は膨大であり、すべてのファイルをブラウズすることはかなり困難です。

それにもかかわらず、私たちはこの機能を追加しました。これはコンテンツ調整を確保する方法の一つです。ここでは、政治的傾向やコンテンツの好みについてではなく、Arweaveが発明されたときに取り除こうとしたものです。

トークンについて

Arweaveには独自の通貨、ARトークンがあります。データを保存したいユーザーは、保存料を支払うためにこれを購入する必要があります。逆に、保存を提供するコンピュータは、ARトークンを支払いとして受け入れる必要があります。しかし、興味深いことに、支払いは各マイナーに直接行われるのではなく、集められ、時間の経過とともにネットワークに分配されます。

この料金プールはストレージ基金（Storage Endowment）と呼ばれます。その目的は、将来のデータに対してこの超過料金のARプールから保障を提供することです。この料金は、ユーザーが支払うマイニング報酬によって支払われます。時間の経過とともにこのプールが増加するため、将来のマイナーへの報酬を長期間にわたって支払うことができます。

補足として、Arweave上のストレージは一度の支払いであり、サブスクリプションベースではありません。しかし、データは永久に保存されるため、Arweaveは顧客とネットワークの両方にとって魅力的であり、実際に有用な通貨となります。ARトークンの供給量は限られており、6600万しかありません。このガイドを参照して、世界のどこでもそれを入手する方法を確認してください。