一文速覧delta：シードラウンドで千万ドルの資金調達、グローバルな状態共有ネットワークを構築

原題：《We are excited to introduce delta》

著者：delta公式サイト

翻訳：Felix, PANews

10月10日、グローバルな状態共有を目指すネットワークdeltaは1100万ドルの資金調達を完了した。この資金調達は、Figment CapitalとMaven 11がリードしたプレシードラウンドと、VariantとDBAがリードしたシードラウンドの2つのフェーズに分かれている。他の投資家にはReverie、Castle Island Ventures、Credibly Neutral、Ambush Capital、Robot Ventures、Delphi Ventures、Public Works、Komorebi Collectiveなどが含まれる。

deltaネットワークは、実行とデータ可用性を分離することで、開発者に主権と相互運用性のバランスを提供するソリューションを提供している。このシステムは、シームレスなマルチドメイン相互運用性を実現するために、ゼロ知識証明による決済方式を導入している。

deltaとは何か？

deltaは、自律的な実行環境で構成されたネットワークで、分散化された検閲耐性の基盤層で接続されている。deltaは、①実行と順序付けを②データ可用性と決済から分離する。実行と順序付けはドメイン上で行われ（ロールアップ/実行シャーディングに似ている）、データ可用性と決済は基盤層を操作する検証者ネットワークによって提供される。これらのコンポーネントの全体が統一されたグローバル状態機械を構成している。

グローバル状態は共有されているが、ドメインはそのブロックスペースを完全に制御する。ドメインは特定のアプリケーション向けまたは汎用の計算プラットフォームであり得る；既存の仮想マシンを使用するか、自分のカスタムプログラムを開発することができる；操作モデルは分散型、集中型、あるいは許可型であってもよい。あらゆるアプリケーション、企業、サービスプロバイダーは、無許可で自分のドメインを設定できる。彼らのユーザーは、オフチェーンでサブスクリプションを通じて任意のトークンで料金を支払うか、全く支払わないこともできる。

ユーザーは基盤層から検閲耐性を得る。彼らは資産の使用方法を決定し、自己保管の能力を維持する------その資金は安全であり、許可なしにドメインから退出する権利を持つ。資産は基盤層に存在するため、各ドメインが個別に実装する必要はない。

基盤層はドメイン間のネイティブな相互運用性を促進する。ユーザーにとって、deltaは資産を一つのドメインから別のドメインに移動するための即時でほぼ無料、かつブリッジなしの体験を提供する。

これらの特性を実現する鍵はzk決済である。ロールアップと同様に、ドメインはさまざまな形態を取ることができるが、すべて同じ基盤層に決済される。ロールアップとは異なり、彼らは基盤層のゼロ知識証明に直接統合されて決済を実現する。この「固定」されたzk決済方式は、ローカルネットワーク間のグローバルな相互運用性を前例のないレベルに引き上げる。ドメインは相互にインタラクションでき、原子的なインタラクションも可能であり、ブロックチェーンのようにグローバルな調整を必要としない。

deltaの状態モデルは、リーダーレスコンセンサスプロトコルを実現しており、その性能はどのブロックチェーンよりも優れている。delta内のドメインは、本質的に支出によってグローバル状態を変更する能力を隔離している。この制限により、基盤層上でトランザクションを全順序付けする必要がなくなる。順序付けがなければ、ドメインは最小限のビザンチン耐障害ブロードキャスト（BRB）プロトコルを使用してその状態変更を継続的に流出させることができる。各トランザクションの通信コストを削減するだけでなく、deltaのリーダーレスで無秩序なコンセンサスは、これまでのすべてのブロックチェーン実装の全順序付けコンセンサスよりも強力でスケーラブルである。これらのシステムとは異なり、deltaは単により多くのマシンを追加することで線形にスループットを拡張できる。

暗号通貨の最大の問題を解決する

プラットフォームとアプリケーションはWeb2と同じくらいの選択肢を持ち、同じブロックチェーン上のスマートコントラクトと同様に組み合わせ可能である。しかし、アプリケーションチェーンとロールアップは、独立したブロックチェーンを「接着」するために複雑な相互運用性ソリューションを必要とする。このアプローチの欠点は、主権がもたらす利点をはるかに上回っている。

例えば、新しいチェーンがユーザーを誘導する際に直面する課題を考えてみよう。

すべてのオンチェーンアプリケーションは、新しいユーザーに対して安定したコインなどの資産を預け入れるためのシームレスな体験を提供する必要がある。そして、この体験を実現するために、新しいチェーンは選択において重大な課題に直面する：

1. コストとプロセスの観点から、安定コイン発行者がチェーン上でローカルに展開することが非常に重要である。この選択は、資金とリソースが豊富なプロジェクトにのみ適用される。
2. ユーザーにロールアップの決済層からブリッジを要求することは強力なセキュリティを提供するが、ロールアップの決済層にまだ安定コインを持っていないユーザーにとっては大きな抵抗をもたらす。
3. アプリケーションチェーンとロールアップは、第三者ブリッジ業者と協力することができるが、このアプローチには重大なトレードオフが必要である。単一のプロバイダーを使用することは耐え難いセキュリティリスクを伴う可能性があるが、複数のプロバイダーを使用することでユーザー体験が悪化し、ユーザーは同じ基盤資産の複数のバージョンを考慮しなければならない。

統合システムであるdeltaは、アプリケーションチェーンやロールアップの立ち上げに関連する最も重要な課題を解決する：

配分

• 統合チェーン上では、ユーザーと流動性を引き付けることがチェーンとそのアプリケーションの共通の目標である。アプリケーションチェーンでは、ビルダーは自分の力だけに頼らざるを得ない------ユーザーと資産は共有できない。
• delta上では、資産とユーザーはグローバルに共有される------一度deltaにロードされると、delta上に構築されたすべてのドメインがアクセスできる。同時に、ドメインは最大の制御権を保持し、自分のユーザー体験を所有し最適化する。

相互運用性

• ユーザーは、摩擦なく複数のアプリケーションと同時にインタラクションしたいと考えている。この体験を促進するために、アプリケーションチェーンは中介サービス（第三者インフラストラクチャや流動性プロバイダー）を再導入し、大量の複雑さを抽象化する必要がある。ブロックチェーンはこれらの中介を排除することを目的としており、各抽象レイヤーは最初の価値提案から遠ざかる。
• delta上では、状態がグローバルに共有されるため、ドメインは他のドメインと接続するために中介を必要としなくなる。ユーザーは、ドメインから別のドメインに移動する際に、中介やルーティングの複雑さから生じる摩擦を感じることはない。

アクセスのハードル

• 統合チェーン上に一連のスマートコントラクトを展開するのと比較して、アプリケーションチェーンやロールアップを構築し維持するには、より多くのコストとリソースが必要である。
• delta上では、ドメインは他の形式のアプリケーションチェーンやロールアップよりも軽量である。ロールアップとは異なり、ドメインは完全な実行パスや詐欺証明に関連する長期的な引き出し期間を証明する必要がない。独立したアプリケーションチェーンとは異なり、ドメインは検証者セットを立ち上げる必要がない。

前述の安定コインのアクセス性の課題に戻ると、delta上のドメインビルダーにとって、この課題は存在しない。delta上では、安定コイン発行者は一度だけ展開すればよく、すべてのドメインがその保有者と流動性に平等にアクセスでき、制御権や相互運用性の複雑さを犠牲にすることはない。

deltaのビジョン

deltaは、アプリケーションチェーンと横方向の拡張ビジョンをより広く強化する。しかし、deltaは既存のアプローチの問題を解決するだけでなく、新しい設計空間を創造する。

deltaはユーザーに対して、自己保管権と無許可の退出権という2つの不可侵の権利を提供する。これらの保障があれば、deltaは実行層で安全に一連の信頼モデルを再導入することができる。ブロックチェーンは初めて許可されたサービスを提供しながら、ユーザーの資金が完全に安全であり、いつでも引き出せることを保証する。これにより、企業、ゲーム、さらには政府のブロックチェーンという新しいカテゴリが、信頼を必要とせず分散化されたブロックチェーンと公共ネットワーク上で共存できるようになり、相互運用性は前例のないレベルに達する。